行政書士開業キット 解説記事 / 03 業務管理

行政書士のNotion顧客管理テンプレート

見込客から顧問契約までの進捗一元化

03 業務管理 gyosei-crm

見込客・進行中・完了・顧問を一つのボードで管理する、行政書士向けNotion CRMの組み方です。案件数が二桁を超えたあたりから、スプレッドシートでは抜け漏れが出はじめます。本記事では、開業1年目から無理なく回せる最小構成のNotion CRMを解説いたします。

なぜスプレッドシートではなくNotionなのか

開業直後はGoogleスプレッドシートで十分だと感じる方が多いと思います。案件が数件のうちは、実際にそれで回ります。しかし顧客名・進捗・期限・メモを1つの行にまとめようとすると、すぐに情報が溢れ、期限超過や連絡漏れにつながります。

Notionはデータベースが「表」「かんばんボード」「カレンダー」「ギャラリー」と複数のビューで同じデータを見られる点が優れています。進捗全体を見たいときはかんばん、個別顧客の詳細を書き込みたいときはページ、期限を俯瞰したいときはカレンダー、といった切り替えが1クリックで完結いたします。

さらに、Notionは1顧客=1ページという構造を自然に作れるため、ヒアリング内容・提出書類・やりとりメモを顧客ごとにぶら下げられます。スプレッドシートでは別シート参照や別ファイルに逃がす必要があった情報を、同じ場所にまとめられるのが最大の利点です。

最小構成の必須プロパティ

まずは欲張らず、以下の10項目だけでデータベースを作ることをおすすめいたします。項目が多すぎると記入が面倒になり、CRM自体が続かなくなります。

この10項目で、案件の現在地と次の一手がひと目で分かります。慣れてきたら紹介元・問合せ経路・受任率集計用のフラグなどを追加すれば十分です。

ボードと表の使い分け

Notionの同じデータベースに、2つのビューを作成いたします。

かんばんボード(日々の進捗確認用)

ステータスを列に、各案件をカードにして並べます。朝一で開いて「今日どの案件を動かすか」を決めるのに最適です。問合せ→面談→見積→受任→進行中→完了→顧問の7列構成をおすすめいたします。

表ビュー(一覧棚卸し用)

報酬総額・件数・支払状況を横断で確認したいときに使います。月末の売上集計や未入金チェックに重宝いたします。フィルタで「支払状況=未請求」を絞れば請求漏れも防げます。

ステータス遷移の設計

ステータスは人によって言葉が違うため、事務所内で定義を揃えておく必要があります。一例として次のように定めると迷いがなくなります。

「見積を出したまま2週間音沙汰なし」の案件は、受任前段階での離脱リスクが高いため、ボード上で見えていることが重要です。

個別顧客ページの構造

1顧客=1ページの中に、次の5ブロックを用意いたします。後から探しやすくなりますし、引き継ぎも容易になります。

基本情報

氏名・住所・連絡先・生年月日・法人情報などを記載いたします。ここは個人情報そのものなので、アクセス制限の対象になります。

ヒアリング内容

初回面談で伺った依頼内容・背景・希望納期・予算感をテキストで残します。次回連絡時に読み返して「前回こうおっしゃっていましたね」と触れられると、信頼感が一段上がります。

提出書類リスト

必要書類をチェックボックス形式で並べ、収集状況を可視化いたします。クライアントから預かる書類と、自分で取得する書類を分けておくとさらに分かりやすくなります。

請求情報

報酬額・請求日・入金日・領収書発行状況を記録いたします。CRMと請求管理を一体化しておくと、入金漏れを防げます。

やりとりメモ

電話・メール・面談の記録を時系列で残します。日付と要点だけでも構いません。後日トラブルが発生した際の証跡にもなります。

守秘義務への配慮とアクセス制限

行政書士には行政書士法第12条による守秘義務があります。Notionに顧客情報を保管する以上、アクセス権限の設計は避けて通れません。

最低限、次の3点を守ることをおすすめいたします。第一に、CRMデータベースはプライベートワークスペースに置き、外部共有リンクは絶対に発行しないこと。第二に、複数名の事務所であれば、担当者以外はアクセスできないグループを作ること。第三に、PC・スマホには必ずロックをかけ、離席時はスリープに入る設定にしておくことです。

また、Notion自体のログイン情報は使い回さず、2段階認証を有効化してください。情報漏えいは1件の事故で信頼を失います。守秘義務違反は行政書士法上の懲戒事由にも該当し得る重大な問題です。

月次レビューの仕組み

CRMは作るだけではなく、振り返ることで価値が出ます。毎月末または月初に30分だけ時間を取り、次の観点で棚卸しいたします。

この振り返りが、次月の営業方針や価格見直しの根拠になります。数字で判断できる事務所は、感覚で回す事務所よりも成長が早いものです。

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