行政書士開業キット 解説記事 / 02 集客・営業

行政書士の営業トークスクリプト|電話・対面・紹介依頼の3場面

現場でそのまま使える場面別のトーク例とNGワード

02 集客・営業 gyosei-sales-script

営業トークに苦手意識を持つ行政書士は少なくありません。しかし、依頼者が「この人にお願いしたい」と決めるのは、どの場面でも最初の数分です。本記事では、問合せ電話の初期対応・対面商談・他士業への紹介依頼の3場面で、現場でそのまま使えるスクリプトとNGワードを整理します。

スクリプトが必要な理由

行政書士の仕事の多くは、依頼者の不安を整理し、手続きの見通しを示すことから始まります。ところが、慣れないうちは「何から聞けばよいか」「どう答えれば角が立たないか」で迷い、会話が間延びします。スクリプトは台本ではなく、迷わないための型です。型を持っていれば、相手の話にも耳を傾ける余裕が生まれ、結果として信頼を得やすくなります。

場面1|電話応対(受信時)

電話は初対面の印象が最も強く出る場面です。問合せ電話が鳴った瞬間から、相手は「この事務所に頼んでよいか」を判断し始めています。

名乗りと要件確認

最初の名乗りは、事務所名と自分の名前をはっきり伝えます。「はい、○○行政書士事務所の◯◯でございます」が基本形です。続いて「本日はどのようなご用件でしょうか」と要件を広く尋ね、相手に話す時間を十分に渡します。

ヒアリングの流れ

要件をつかんだら、5W1Hを意識して以下の順番で聞き取ります。

面談誘導の切り出し方

電話で最終見積を出すのは禁物です。必ず面談に誘導してください。トーク例としては「詳しいお見積は、実際の書類と状況を見てからの方が正確ですので、一度お会いしてお話を伺わせていただけますと幸いです。事務所での面談とオンライン面談、どちらがご都合よろしいでしょうか」のように、面談形式を選ばせる形で締めくくると、決定率が上がります。

場面2|対面商談

対面商談は、依頼の決断を促す場です。挨拶・ヒアリング・提案・クロージングの4ステップで進めます。

挨拶とアイスブレイク

名刺交換の後、いきなり本題に入らず、2〜3分だけ世間話や事務所までの移動について触れます。緊張をほぐすことで、相手が本音を話しやすくなります。

ヒアリング

電話で聞いた内容を前提に、手元の資料を確認しながら深掘りします。事実を確認する質問と、気持ちを聞く質問を交互に配置するのがコツです。「現状、書類はどこまで集まっていますか」「ここまでご自分で進めてこられて、どこが一番大変でしたか」といった流れです。

提案

提案は「状況の要約→進め方→期間・費用→次のアクション」の順で伝えます。最初に相手の状況を自分の言葉で要約することで、「話を聞いてもらえている」という安心感を与えます。

クロージング

「このまま進めますか」と直接聞かず、「ここから先、私どもで進めさせていただく場合、まずは委任状のサインと本人確認書類をお願いすることになります。今日ご用意可能でしたら、このまま手続きを開始できます」のように、次の行動を提案する形で締めくくります。

場面3|他士業への紹介依頼

開業後半年〜1年は、他士業からの紹介ルートを作ることが重要な営業活動になります。

切り出し方

初対面の税理士・社労士・司法書士に、いきなり「紹介をお願いします」と言うのは逆効果です。まずはお互いの業務範囲を把握し合い、自分側から紹介できる案件を見つけるところから始めます。トーク例として「先生のお客様で、建設業許可や産廃、外国人雇用などでお困りの方がいらっしゃいましたら、いつでもお声がけください。逆に、私のお客様で税務や登記が必要な方がいらっしゃった際には、先生をご紹介させていただいてもよろしいでしょうか」のように、双方向の関係を最初から提示するのが自然です。

フォローの型

紹介をもらった後は、必ず「受任したか」「面談が成立したか」「進捗はどうか」をフィードバックします。守秘義務の範囲内で、「ご紹介いただいた件、昨日面談させていただきました。このあと進め方を整理してお返事する予定です」と一報入れるだけで、紹介元の安心感が大きく変わります。

場面別のNGワード

どの場面でも避けたい言い回しを整理します。

断り文句への切り返し

「もう少し考えます」「他にも相談してみます」と言われたときに、食い下がるのではなく、次の動きを残す切り返しが有効です。「もちろんご検討ください。ご判断にあたり、他に比較したい点や、追加でご確認したい情報があればお知らせください。必要な書類リストだけ先にお渡ししておきますので、ご依頼をお決めになった段階からスムーズにスタートできます」のように、断られてもフォロー動線を残しておくと、後日戻ってくるケースが出てきます。

最後に意識したいこと

営業トークの目的は、依頼を強引に取ることではなく、相手が安心して決断できる状態を作ることです。スクリプトはあくまでガイドであり、相手の話を遮ってまで型通りに進める必要はありません。型を身体に入れた上で、相手の言葉に応じて柔軟に動けるようになれば、初年度から安定的な受任につながります。

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